「いきみ」を上手にできる呼吸法とそのポイント
「いきみ」ってナニ?

出産経験者の人から『出産のとき、いきみが辛くて、辛くて、どうしようもなかった』といった話を聞いたことはありませんか?
お産は、痛いみを耐えることも辛いのですが、この「いきみ」と呼ばれるものに耐えることも非常に辛いといわれています。
いきみとは、陣痛が強まって子宮口が7センチくらいまで開いてくると、からだに自然と力が入ってくることをいいます。たとえていうなら、排便をもよおしたときと同じような感じと思ってください。
子宮口が全開大にならないうちに無理にいきんでしまうと、うっ血したり、お腹の赤ちゃんが苦しく、負担をかけてしまうこともあります。

逃がすためには呼吸に集中したり、周囲の人にさすってもらったりして、このいきみの辛さを乗り越えながら、子宮口が全開大になるギリギリまで待つことが大事です。
しかし、まだ出産を経験したことのない人にとって、このいきみがどんなものなのか、逃がすための訓練とはどうすればいいのか、分からず不安になることでしょう。
そこで、「いきみ」を上手に逃がすための訓練を妊娠中からしていきましょう。
「いきみ」を上手に逃がすためには、まずは「呼吸法」を学ぶことからスタートです。
陣痛のときの正しい呼吸法
お産では呼吸法が大切だといわれています。呼吸法も痛みを逃すためのリラックス法のひとつ。ゆったりした気持ちで呼吸をすれば、気持ちを落ち着かせることができるからです。

◎ 胎児にたっぷり酸素を送るため
◎ 緊張した状態から気分を落ち着かせるため
◎ リラックスさせるため
◎ 呼吸を意識することで痛みからの気持ちをそらすため

(1) まずは、ゆっくり「フーフー」と吐き出した呼吸をします。
(2) 腹式呼吸で行います。お腹を意識してください。
(3) 鼻からゆっくり空気を吸って、口からゆっくりと吐き出しましょう。
(4) 流れるように繰り返し行ってください。
(5) そのとき、吸う息よりも吐く息を意識してください。
お産はとても緊張します。それに陣痛のいたみも加わります。
そのためどうしても呼吸が早くなりがちです。呼吸が早くなったり、乱れたりすると息が苦しくなり、呼吸困難を起こすケースもあります。また、呼吸がスムーズに運ばないと、胎児に酸素をたっぷりと送ることができません。
お産がスムーズに運ぶためにも、赤ちゃんに負担をかけないためにも、正しい呼吸法を妊娠中から練習しておいてくださいね。
陣痛時の正しい「いきみ方」

陣痛のときの上手な呼吸法がマスターしたら、いよいよ「いきみ」について学びましょう。
いきみは、排便に似ています。
赤ちゃんの頭が下がってくると直腸の神経を刺激します。直腸が刺激されると自然に「早く出したい、早くいきみたい」という感覚におそわれます。これは、排便と似た感覚です。
しかし、陣痛がまだ激しくなかったり、赤ちゃんが十分に下がっていなかったり、子宮口が十分に開ききっていないときに、早くからいきんではいけません。
早くからいきんでしまうと、子宮口がむくむので開きにくくなったり、子宮頸管の裂傷が起こやすいです。
また、妊婦さん自身の体力が消耗して、本当にいきまなければならないときにいきめなくなってしまいます。
ですので、直腸が刺激されて「いきみたい」感覚におそわれたとしても、子宮口が全開大になるまで、絶対にガマンしてください。子宮口が全開大になったらおもう存分いきみましょう。
医師や助産師さんの指示にしたがって

子宮口が全開大になったかどうか、というのは、妊婦本人には見えないのでわかりません。
もちろん、赤ちゃんがいま、どれくらい下がってきたのか、ということもわかりません。
赤ちゃんと子宮口の様子をみながら、いきんだ方がいいかどうかを判断し、指示をしてくれるのは、そばにいる医師や助産婦さんです。
「いきんでいいですよ」とか「はい、力を抜いてくださいね」という医師や助産婦さんの指示に基づいて行うことが、いきみをうまくこなす一番のコツになるでしょう。
いきみを逃がすのがお産のときの大変さともいわれています。
呼吸に集中したり、周囲の人にさすってもらったりして、医師や助産婦さんが「思いっきりいきんでいいですよ」という指示があるギリギリまで、いきみに耐えれるようにがんばりましょう。